京都の花街~舞妓さん芸妓さんと和傘~
現在の京都には,祇園甲部,宮川町,先斗町,上七軒,祇園東の花街があり、これら五つの花街を総称して「五花街」と呼ばれています。
芸妓や舞妓が舞・踊りをはじめとした数々の伝統伎芸により心のこもったおもてなしをする文化が連綿と受け継がれ、京都の伝統文化が大切に守り続けられているまちとして、京都の花街は,おもてなし文化の一大中心地として栄えてきました。
京都の花街には,伝統伎芸をはじめとする伝統文化とおもてなしの文化が凝縮しており,本物へのこだわりを大切にしながら育まれたその華麗で洗練された文化は,日本国内からだけでなく,海外からも高い評価を受けています。
京都宮川町 田ね文さん
芸妓さんや舞妓さんを引き立てる髪型やきもの,三味線や笛などの邦楽器,さらに,舞台や座敷を飾るしつらえなどには,髪結い師,着付師のほか,きものや帯,かんざしなどを作る伝統工芸の職人の「技」が凝縮している。職人の手から手へと受け継がれてきたこれらの「技」は,花街をはじめ京都の雅な文化の中で洗練され,精緻を極めてきました。
辻倉の和傘もそのうちの一つとして、舞妓さんには京紅色の蛇の目傘、芸妓さんになると紫色を始め好みの蛇の目傘をさされています。
京都宮川町 とし夏菜さん
舞妓さん、芸妓さんがお茶屋さんへ出られる時、同じ蛇の目傘を間違う事がないようにと、蛇の目傘に名前を入れるようになりました。
このように花街では,至るところに京都の多彩な伝統工芸を見ることができ,高い技術を誇る京都の伝統工芸が花街の文化を支えていると言えます。「京・花街の文化~いまも息づく伝統伎芸とおもてなし」は,“京都をつなぐ無形文化遺産”に選定されています。(京都をつなぐ無形文化遺産より)