番傘
<番傘とは>
番傘の持ち手は竹のままを使用し、素竹の良さをいかしたシンプルで少し太めの和傘です。
番傘の名前の由来は諸説ありますが、商家では店の者が使用し、大きな商店ではにわか雨のおりに貸すために屋号の印や、「子(ね)の十五番」などと番号を入れ、それが番傘とよばれたとも言われています。
また、18世紀初めのころに大坂の大黒屋が大黒天の印を押して「大黒番傘」を売り出しました。
その後、印や判を入れた傘を「伴傘=番傘」となったとも言われています。
これが江戸に伝えられ、丈夫で値段の安いことから庶民の間で大いに流行し,大黒屋傘の名で全国にひろまり、江戸に下って番傘とよばれました。
元来、紙が厚く、骨竹の削りが粗く、荏油(えのあぶら)を引いたもっとも安価な傘です。
<番傘の特徴として>
番傘の特徴としては、次の点が挙げられます。
・骨組みが太くしっかりとした重厚感ある作り
・持ち手が太い竹
・無地の和紙で、内側の小骨は装飾もなくシンプルな作り
シンプルな作りの上、傘を開くと放射線状に広がる均等に配置された骨組みが竹の美しさを一層引き立てます。
辻倉では従来の白だけではなく、色和紙や柄の和紙を使い、新しい感覚を取り入れた番傘も製作しています。