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カート

カートが空です

―日本古来の和傘―

和傘、蛇の目傘、番傘の違いについて

和傘とは、

和傘とは竹、木、糸といった天然素材を使用した骨組に和紙を貼って作った傘の総称となります。
骨の数は36本、40本、44本、46本、48本、54本と傘の種類や用途によって変わりますが、骨の内側に和紙を細かく畳み込むために多くの傘骨が必要となります。
開いて傘、閉じて竹。傘をたたんだ時に一本の竹の姿に見えることが和傘の美しさの一つです。
和傘の種類には「番傘」「蛇の目傘」「日傘」「舞傘」などがあります。
傘骨に貼った和紙に植物性油を引き、防水したものは雨傘として使用され、雨傘の種類として「番傘」と「蛇の目傘」があります。

和傘の歴史

和傘は6世紀ごろ仏教文化とともに中国より日本に伝わってきました。
当初は身分の高い人の後ろから付き人が日よけや魔除けとして差し掛ける開閉のできない大きな傘で、権力の象徴としても使用されていました。
鎌倉時代になると、小型化した和傘に横棒を使って開閉できる形が出来上がり、
江戸時代になると和傘を固定する方法としてハジキが伝わり、ろくろやハジキの器具の開発により自由に開閉できる和傘になりました。
また、大名が地場産業として和傘の生産を奨励するようになり、全国に普及していきました。
16世紀から17世紀、辻倉の創業時(1690年)には「絵日傘」の流行や蛇の目傘の生産が始まりました。

番傘

飾り気はなくシンプルな作りが魅力的な和傘料亭の名入れ傘としてもよく使用されています

番傘(雨傘)とは、

蛇の目傘を改良して、庶民がもてるように作られたのが番傘です。番傘の持ち手は竹のままを使用し、素竹の良さをいかしたシンプルで少し太めの和傘です。
番傘の名前の由来は諸説ありますが、商家では店の者が使用し、大きな商店ではにわか雨のおりに貸すために屋号の印や、「子(ね)の十五番」などと番号を入れ、それが番傘とよばれたとも言われています。
また、18世紀初めのころに大坂の大黒屋が大黒天の印を押して「大黒番傘」を売り出しました。
その後、印や判を入れた傘を「伴傘=番傘」となったとも言われています。
これが江戸に伝えられ、丈夫で値段の安いことから庶民の間で大いに流行し,大黒屋傘の名で全国にひろまり、江戸に下って番傘とよばれました。
元来、紙が厚く、骨竹の削りが粗く、荏油(えのあぶら)を引いたもっとも安価な傘です。

番傘の特徴

番傘の特徴としては、次の点が挙げられます。
・骨組みが太くしっかりとした重厚感ある作り
・持ち手が太い竹
・無地の和紙で、内側の小骨は装飾もなくシンプルな作り
シンプルな作りの上、傘を開くと放射線状に広がる均等に配置された骨組みが竹の美しさを一層引き立てます。
辻倉では従来の白だけではなく、色和紙や柄の和紙を使い、新しい感覚を取り入れた番傘も製作しています。
骨組みは竹、そして芯棒にも太い竹を使用し和紙には植物性の油を引いて雨や雪の日に使用できる雨傘です。飾り気はなくシンプルな作りが魅力的な和傘です。
頑丈で骨太な容姿は、力士の名入れ傘や、料亭の名入れ傘としてもよく使用されています。

蛇の目傘

蛇の目柄は日本古来からある模様で、神の使いの蛇の目をかたどったことから、魔除けの意味も込められてきました

蛇の目傘 (雨傘)とは、

17世紀終わりごろに作られました。
傘を開くと、紺や赤など基本となる色に白く太い円が広がり、この模様が蛇の目に見えるところから「蛇の目傘」の名が生まれました。
享保(きょうほう)・元文(げんぶん)(1716~41)のころから、柄(え)を細くした軽い傘が好まれ、のちにはこれを細傘といって腰にさして歩きました。
細身で骨の中ほどに糸飾りをつけ、柄竹は黒塗りで軽く、傘の色柄も豊富な雨用の和傘を蛇の目傘と呼ぶようになりました。
蛇の目傘は、江戸時代に歌舞伎の小道具として使われた事をきっかけに、流行しました。
歌舞伎人気演目の一つ「助六由縁の江戸桜」の主人公、助六の小道具として、現在も使われています。

蛇の目傘の特徴

蛇の目傘の特徴として ・骨組みが細く、持ち手の柄には木棒や竹が用いられている。
・木棒の柄には籐が巻かれている。
・内側の小骨部分にはデザイン性のある華やかな装飾の飾り糸が施されている。
・持ち手の柄の下に「石突」とよばれる、下に置いた場合保護する金具がついている。
・傘を開いたときに止める「ハジキ」が2段についているので、人混みを歩く場合や風が強い時など傘を狭めて開くことができる。
昔からの言い伝えで、諸説ありますが、蛇の目柄は日本の古くからの模様であり、神の使いの蛇の目をかたどったことから、魔除けの意味も込められてきました。
また傘を広げると、末広がりの形から「降り注ぐ困難から守ります」「一つ屋根の下末永く幸せに」という思いも込められ、縁起がいいことから、祝い事や嫁入り道具の一つとしても用いられてきました。
現在は番傘も蛇の目傘も男女、和装洋装を問わず、気軽に楽しくお使いいただける和傘となっています。
骨組みは竹、そして芯棒には木を使用し和傘には植物性の油を引いて雨や雪の日に使用できる雨傘です。
番傘とは違い、傘の内側には飾り糸をほどこし持ち手部分には滑り止めの為に藤を巻いています。
和紙の色柄も豊富で、実用はもとより和のインテリアとしても大変存在感があります。

日傘・舞傘

日傘、舞傘は名前の通り舞台などの踊りに使用したりまたは、日傘として使う少し小ぶりの傘

日傘・舞傘とは、

日傘、舞傘は名前の通り舞台などの踊りに使用したりまたは、日傘として使う少し小ぶりの傘です。
骨組みは竹、芯棒には木や竹のものがあります。
番傘や蛇の目傘とは違い、防水のための油引きの加工をしていませんので、雨の日には使えませんが、和紙本来の色や型染和紙や友禅和紙の華やかな模様を楽しんでいただけます。
洋傘のようなUV加工などはありませんが、日差しは和紙を通すとやわらぎ目にも心にも優しい和の日傘です。

和傘のそれぞれの特徴をおわかりいただけたでしょうか。

京都の店舗では実際に沢山の和傘をご覧になり、またご購入いただけます。
和傘をさして
雨の日には和紙に落ちる心地よい雨音に、
晴れの日には和紙を透かして見る光の色のやさしさに、
包まれるようなそんなひとときをゆっくりと過ごしてみてはいかがでしょうか。
そして大切な方への贈り物として末広がりの和傘はいかがでしょうか。

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